2012年05月23日

ステテコ

先日、義母がお弔いの会へ出かけた。

義母は見番(・・・というのはつまり、芸妓さんや半玉さん(京都で言う舞妓さん)のいる置屋さんとお客さんをとりもつところで、踊りや地方(お三味線や鳴り物)のお稽古なんかもこの辺でスケジュールをしているのだと思うんだけど、詳しくはココにのってた。)とにかくその見番に出入りしているお師匠さんについていたので、芸妓さんたちとまだ交流があったりする。「三業さん」というのはそういう料亭さんや見番や花柳界のある場所をいうらしいんだけど、今ではもう廃れてしまったりしているところが多い。それでも、昔を知る人達はそのいまや普通の住宅街のようになってしまった地域を「さんぎょうさん」と呼んだりしているみたいだ。

もとはある置屋の「おかあさん」だった人がなくなった。身内の人もいるにはいるけれど、そのおかあさんをずっと看ていたのは置屋さんにいた芸妓さんだった人だ。おねえさんは本で読むような花柳界の人らしいキップの良さでおかあさんをずっと看てきた。

よくある話だけれど、死んだ後になったら急に身内風を吹かせるような人がいる。さんぎょうさんで何かあるとよくそんな話も聞く。ご多分にもれず、おかあさんとこの実の妹さんがなくなったらすぐにおかあさんのことを連れて帰ってしまったらしい。だいたいよく聞くのはそういう時ってかならず芸妓さんたちのほうが一歩引いてしまうのだ。それが彼女達の美徳なんだろうと思ったりもする。

だけど、今回の場合、そのおかあさんはそんな事もあろうかと遺書を書いていたので、おねえさんがおかあさんのことを最後まで看たことや何もかもをおねえさんに渡して逝きます、ということを法的に手続きできるように遺して行ってくれたために、少しはおねえさんがすくわれる事になると思う。まだ分からない。

そんな事で、おかあさんの遺志や色々と分かっているさんぎょうさんの「中の人」たちは実の妹さんとお話をして、御骨になったおかあさんを「お借り」して先日お弔いをした。むこうがびっくり仰天するようなお弔いをしてやろう!ということになったらしい。さんぎょうさんからそれほどは遠くない料亭と会場を借りて、「中の人」達が正装で集まったそうだ。
お年寄りが多かったので着物は思ったより少なめだった、とのことだけれど、義母の母(私の義理の祖母)が亡くなった時の義母の知人達の喪服(着物)姿を思い出すとさぞや壮観だったろうと思う。

義母も流儀の家紋のついた黒紋付を着て行った。南天の真っ黒な帯揚げ、家紋が織られている喪の帯、真っ黒というより少し煤けた感じの帯締め。ずいぶん着たんだなあ、これだけ人を見送って着たのだなあと思う、少しだけ古びていたりする。

「おかあさん」はそうだな、半年ぐらい前にはとても元気だったのだ。赤い爪をしていた、と義母が話してた。昔の花柳界の話を沢山してくれるのだそうだ。私はそういう話を聞くのが大好きだ。だから本当は直接そのおかあさんにも会ってみたかった。おねえさんには2,3回会った事があるんだけど、いつもご挨拶しかできないのでいつかきっと色んな話をきいてみたい。おかあさんがそのおねえさんのことを話すとき、とてもとてもステキな顔をするそうだ。「本当に娘みたいに、妹みたいに一緒にいたんだろうね」と義母と話している。いろんな話を聞けそうだなあと思う。


義母を車で料亭近くに送ってから、私たちは程近い大型スーパーでお買物をしたり遊んだりした。家の近くには商店街とちょっとしたスーパーがあるくらいなので、大きなマンションやら団地やらがある現代的な街の現代的な大きなスーパーは面白い。あれもこれも気になって、少し早めのカキ氷を食べたり、クレープを食べたりして、テナントの雑貨屋やら、大きな薬局やらを物色して歩いた。

娘を夫に任せて一フロアー全部を使った婦人服・婦人肌着をうろついた。隅から隅までw

下着やら靴下やらを見ていたら、ずらららら〜〜〜〜っとステテコが並んでいる。日本製のしじらのステテコでカラフル、模様も色々あって楽しい。裾のフリルも可愛いし一枚欲しいなあと思って購入した。

$普段着物で家事育児してます。

白い着物を着たら透けてしまいそうだけれど、濃い目の色の着物ならきっと大丈夫だろう。透けるからって白いのを買ったら、なんか親父みたいだし。
日本製なのに安かった。1480円。こういうのを思うと、どうして和装下着として売られるステテコがあんなに高いのかと本当に不思議。

ステテコは色っぽくはない。断言するけれど。踊るひとは浴衣の下にステテコを履いていること、よくあるけど、でも本当はやっぱり大股を広げる事が躊躇われるくらいがいいのだと思う。

齢九十を超えて赤い爪をしていたおかあさんのことを考える。
いくつになっても色気を忘れないで居る事、それでもとにかく人は老いていくこと、家族ということの意味。
自分は何歳まで生きるのだろうか、その時娘はどんな子になっているのだろうか、夫はどんなおじいちゃんになるのだろうか、その前に義母を看取ることになるのだろう、自分の両親も・・・。

一枚のステテコがこの夏我が家にやってきて、私はこのステテコを履くたびに赤い爪をした置屋のおかあさんに少し思いを馳せる。

こなつ

posted by 夏 小奈津 at 13:06| Comment(2) | 着物と物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

手づくり補正グッズ

殆ど毎日着物着ているのですが、いつもちゃんと補正しています。

普段着物で家事育児してます。


上の補正タオルはおぼろタオルという表面ガーゼで裏面がタオル地のバスタオルで長い方向に端が内側に入るように四つに折って内側に古い伊達締めを入れてそれをざくざくに縫い付けてあります。タオルを腰に巻いたら伊達締めの紐を使って締めるようになっています。

以前まだ着物を一人で着られない頃はバスタオルを巻いて自分で押さえて、そこに義母が伊達締めをしめてくれて、という作業をしていました。それで着物セットの風呂敷の中にこのバスタオルとふるい伊達締めはばらばらで入っていました。

ある時、義母が芸妓さんだったある人から作り帯を譲ってもらいました。これなら自分で締められるね、と義母が私にくれました。五年ほど前の秋のある日、実家に行く時に私は唐突に着物で行く!と決めて前の晩にお太鼓はこの付け帯をして・・・と準備していました。その時に義母がこのタオルと伊達締めを急いでちくちくと縫って私が自分ひとりで補正できるように作ってくれたものです。以来ずっとこの補正タオルを使っています。

とはいえ、私にとっての補正はずっと「ヨソイキ」でした。2年前の1月、着物を着て「生活」しようと思い立ったころ、毎日の着物で補正とか面倒くさい!そんな不自然なことしなくていいじゃん、普段着なんだから!と、思っていました。でもやっぱり少しずつ補正した方がいいのではないか、と思い始めて今では補正タオルをしないで着物を着ることはまずありません。たまに忘れたときは、急いでなければその場で、急いでいれば後で着なおします。

(→補正へのいきさつ

さてさて、去年の夏、夏場にこの補正は暑い!どうにかならないかなあと思ってヘチマの補正パッドを購入しました。(正確には、してもらいましたw)

去年数回使って今年も暑いなあと思う日に使ってみてどうも頼りないんですね、この補正。そういうわけで、薄めのタオルを追加する事にしました。

薄いガーゼのバスタオルを内側に端っこがいくように4つに折ります。そこに、へちまのこの補正パットをいれて、ちくちくちく、と。

普段着物で家事育児してます。

せっかくの夏用の補正パットなので、タオルが厚かったら意味がない。とにかく薄めの物を使いました。フェイスタオル大のだとまだちょっと足りない感じがしたし・・・。でも、いつもの補正タオルよりは多少はましなはずです。


夏場はびっしょりになる補正タオル、あらい替えが出来て安心です。


こなつ


posted by 夏 小奈津 at 13:05| Comment(0) | 着物生活をグレードアップする下着類も | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏用の前板ゲット

義母からもらって愛用していた前板、なぜか折れてしまって、でもまあ問題なくず〜っと使っていたのですが・・・。そういや夏になるしメッシュの前いた今年こそ買っちゃおうかなあとか、板の長さがもう少し長いのが欲しいんだよね〜とか・・・。

普段着物で家事育児してます。

この献上柄が好き。こういう柄の前板って最近みないと思いません?義母が今使っているのは鱗柄の七色のでたぶん厄除けになっているんだな。あれもいいな。

で、この前板も使えない訳ではないので、自分が気に入ったのを見つけるまでは使い続けようかなあっ使っていたのですが、でもやっぱり買いました。

まず、長めのものが欲しかったの。帯の両脇に皺が寄っちゃうのが嫌で。(太目だから、前板の短いのは前の部分しかカバーしてくれない。できるだけ横まで板が欲しかった。)柄の可愛いものならあねさん人形柄とかありますが長さが優先なので普通のピンクの麻の葉柄のベルト付きのものを買いました。1260円だった。

それから、ついでに夏用にメッシュのも買いました。こんなのは300円~600円代で購入できる。


普段着物で家事育児してます。


踊りの先生の話によると、夏用の前板は小さなボール紙系の前板が夏は結構涼しい、という話だったので、中学生の頃から使っていた前板を地味に使っていたのです。もうカバーの布とかも取れちゃって本当にポケット付きボール紙になってたやつを。でもね、この貧乏ったらしさといったら・・・。本当に我ながら情けなくなっちゃうんですもん。このメッシュというやつも実際はケミカルなものなので本当に暑さをしのげるのかどうかは怪しいなって思っているの。だから、ボール紙の方もまだ捨てないでおこうと思う。この夏中、メッシュの前板を使ってみて、よし!となったらボール紙のほうはいよいよサヨナラしよう・・・。


とりあえず今日までの所は良い感じで使っています。こんなヘロヘロで前板的役割を果たすのか?と初めて手にした時は不安でしたがちゃんと役割を果たしています。あとは「暑〜〜い〜〜〜」日にどうかな。

こなつ


posted by 夏 小奈津 at 12:52| Comment(2) | 箪笥の中身 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月14日

普段着のお太鼓2

午後にちょっとお出かけしようと思っていたので休日の朝にのんびり起きてのんびりお太鼓。

割烹着を着ていてもお太鼓だと違うよ、と義母が言う。朝少し早く起きてお太鼓を結ぶようにしたらいいかもしれない。お尻が大きいのも隠れるしぜんぜん「きちんと」感が違う。

たとえこんな↓んでも。

普段着物で家事育児してます。

田端の「福助堂」というアンティーク屋さん(着物屋さんだと思ってるけど着物以外の古い物も置いてある)で購入した仕付け糸付きの綿の名古屋帯。紫色が好きなので気に入ってるのですがなぜかなかなか合わせるのが難しくて出番が少ないので、気がついたらこれを選ぶようにしているのです。

この日は濃いピンク色の帯締めを締める!と決めていたので帯揚げも薄めの色ですがピンクしました。


ふふ、着物ブログっぽいな。
本当はもっとなんかソソル着物とかで書いてみたかったけど、所詮は普段着なのでしょうがないです。


ところで、この帯締めは少し短いのです。私が太っているから、だけではなくて、本当に短いの。少し短めの帯締めが流行った時期が多分あるのです。おつうさんに教えてもらった「きものの花咲くころ」という本。着物がもっと身近だった時代の記事、だんだんとヨソイキになってきた頃の記事など読みどころ満載で今の私の愛読書の一冊です。その本に帯締めの長さが色々、という記事がありました。

きものの花咲くころ/田中 敦子

¥2,100
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ココの記事で母がしている帯締めがこれです。母の若かりし頃、というとかれこれもう40年も前になるのでしょうか・・・。
じつはこの帯締めが私が生まれて初めてした帯締めになりますのでなんとなく思い入れが。赤ではなくて濃いピンクというところも意外と好きです。こものだと派手めなものも取り入れやすい、と思いつつ、着物のこの帯締めってやつは意外と曲者だよね、とも思う。

着物も洋服も、センスというのは長く培われるものだから今さらすっごいオシャレになんてなれそうもないので、自分が楽しく、あまりにも酷い、と思うほどのことがなければそれでよし。


こなつ

posted by 夏 小奈津 at 12:54| Comment(0) | キモノな毎日〜雑録〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏どうすんだ??

暑くなってきたので、もうそろそろ厚手の木綿は洗っておこうかなあと思う。でも、いまからそんな事いって夏物着てたら夏、どうすんだ??

$普段着物で家事育児してます。


木綿の着物の下はもう肌着は夏物にしています。
少し肌寒いなあというときはとても気持ちよく過ごせます。
暑いかなあという日も、肌襦袢の衿だけ塩瀬のものですがあとは夏物にして、サマーウールと単の名古屋帯でしのいでおります。

最近気づいたんだけれど、やっぱり木綿は皺になりやすいのでヨソイキにはしにくいんだなあってこと。ウールはその点割と皺になりにくい。
サマーウールにはある程度化繊も入っているのかもしれないなあと思う。
ケミカルを毛嫌いしているわけではないんだよ〜。最近はとても質の良いものが沢山あるし、自分が気持ちよければいいよね。自分なりに工夫して取り入れたり取り外したりしてやりくりしています。


こなつ
posted by 夏 小奈津 at 12:53| Comment(2) | キモノな毎日〜雑録〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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